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木を想う家づくり「木想家」
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世界でひとつの場所のために

「木想家」には、同じ家はひとつもありません。あたり前ですが、それは建てる場所が違って、住むひとが違うから、ですね。『風土を活かす』というのは、その『建てる場所が違う』ことについての、わたしたちの想いです。世界にひとつしかないその敷地がもっている環境条件を読み解き、それに適った建物を考えるということです。

環境条件とひとくちに言っても、日本列島の気候風土というマクロな視点から、その敷地特有の周辺環境が及ぼす影響まで、さまざまなスケールで考える必要がありますが、それは即ち、外界から『とりこみたいもの・さえぎりたいもの』を想定すること、そしてそのための手段を家の間取りや形状に反映させることだと言えます。

そして、『とりこみたいもの・さえぎりたいもの』の主役は、やはり光、そして風ですね。また、常に『さえぎりたいもの』として、雨があります。「木想家」が「住み続けられる木の家」であるためには、これらの環境条件をうまくコントロールできる建物でなければなりません。

 


土地に佇み、周辺との関係を身体に覚えこませてからプランニングにとりかかります。
環境条件と住まい手の要望とで、プランはいつも複雑なパズルのよう。頭の上にピカッと電球が光る瞬間がたまりません。

設計部マネージャー 山口敏広
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自然の木々に囲まれた住まい
 
街の中で、存在感を示す住まい

光(日照)の性質

しかし、ことはそう簡単ではなく、例えば光(日照)というものを考えても、それには3つの側面があります。文字通りの光、すなわち採光という面、それから熱取得という面、そして少し視点は違いますが、眺望(光が入る=ものが見える)という面ですね。

「明るい家がいいな!」とは誰もが思うところですが、太陽光は同時に熱を運んできますので、いつも直射日光があればよいわけでもありません。夏の暑い日差しは遮りたいが、冬の日差しは取り込みたい、ということですね。日本人がこの問題に対して出した解答が、『軒』や『庇』という装置です。時代が変わっても、夏の太陽が高い位置で、冬には低い位置で運行する限りその効果は変わりません。大きな開口部と組み合わせて、水平方向の眺望を充分に確保しながら夏は陰をつくり、冬には陽だまりを得る。これはまさに、優れた「機能のデザイン」ですね。

  また、時刻によっても光の性質は変わります。例えば気持ちのいい朝の光。夏は暑さが厳しさを増す前のひととき、また冬は暖かさの象徴である太陽の恩恵を感じる時間として、一日の始まり、朝の光はとてもいいものですよね。「木想家」では、可能な限りこの朝の光の入る場所に食事のスペースを配置します。日々の朝ご飯が気持ちよくおいしく食べられるのは、人の暮らしにとって大切なことだと思うからです。そのほかにも、季節による日出・日没の時刻と方角を考慮して検討し、寝間は北東に配置するとか、夏の西日の方角には大きく開口を取らないなど、光と熱の性質を知ることで、守るべきルールが自ずと定まってくるはずです。

ただ、その建物に自然な光(日照)が確保できるかどうかは周囲の環境に大きく左右され、住宅密集地では充分な採光も難しいような土地が少なくありません。しかし、そんな場合にこそ間取りや採光方法についての工夫が必要になるわけですから、基本的な光の動きや性質をきちんと知っておかなければ、適切な計画ができません。例えば、北側にしか採光面が取れないからといって南側の屋根に大きな天窓を付けたりすれば、夏場は暑くてどうしようもなくなりますね。北側の窓といっても直射日光が入らないというだけで、照度を得るための採光は充分可能ですから、それを生かしつつそれに加えてどのように光や熱を取り込むのか、そのようなことを検討する際に、時季や時刻による光(日照)の性質を理解することは不可欠といえます。

『時』と『場合』を考え抜く

光に限らず、そのほかの要因である風(通風)や雨(防水)といったものについても、同様にその特性を理解しておくことが大切です。こういったものの大きな地域特性については、気象データを活用して把握をしていますが、やはり光と同様にこれらもその土地の周辺環境によって大きく左右されるため、そのケースごとの答えを見つけなければなりません。

そしてもう一点重要なことは、マクロな気象条件はともかく、敷地周辺の環境条件は容易に変化しうるということです。今だけでなく、将来にわたってうまく諸条件をクリアしていくにはどうしたらいいのか。それを導き出すためには、『現状の把握と将来の予測』双方の精度を高めるしか方法がないのです。

 

世界にひとつしかないこの敷地、そこに外界が及ぼす影響について、さまざまな『時』と『場合』とを想定して考え抜くこと。それが『風土を活かす』家づくりに他なりません。

 



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